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◆第 1 章◆
元気をくれる本物の油

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「癒す油」を見つける(5)

[5] 質が最悪の『危険な油』「トランス型脂肪酸」

ここまでの説明のなかで、何度か『危険な油』という言葉を使ってきました。 この『危険な油』を見つける方法は、「自然な油」か「不自然な油」か、を見分けることから始まります。

◆ 不自然 その1 ◆
『油や脂肪は生鮮食品』であると何度かお話してきました。そして、『どんな種類の油や脂肪も加熱すると急激に質が悪くなる』と説明しました。ですから、「多価不飽和脂肪酸」などの特に劣化しやすい種類の油は「熱・空気・光」に触れさせないようにして、新鮮なうちに使ってください、そう言ってきたのです。 ところが、製造工程で、油には厳禁なはずの「熱・空気・光」にたっぷりと触れた食用油がたくさん存在しています。

[2]で、「エキストラ・バージン・オリーブ油」は、低温のままていねいな圧搾によってしぼられた油だと言いました。圧搾とは、人の手でギュッ!っと搾るように材料を押しつぶして油を取る方法のことです。むかしは、どんな種類の油もこの圧搾で搾られていましたから、むかしの油は脂肪酸のほかにも生きたままの自然な栄養素がたっぷりと入った、『しぼりたて野菜ジュース』のようなものだったのです。

ところが、圧搾法は大量の材料から油をしぼり取るのには時間がかかり、また、材料が持っている油分を根こそぎしぼり取ることはできません。「もっと速く、残すところ無く」と考えられた現代的な油しぼり方法は、「加熱」と「溶剤の使用」でした。

油を高温で加熱すると、油の分子構造は不自然な分子構造に組み変わってしまいます。この不自然分子を「トランス型」と言います。 不自然な分子構造の脂肪酸は、健康づくりに役立つわけがなく、かえってからだの調子を狂わせてしまいます。だから『危険な油』なのです。

イラスト「トランス型脂肪酸」が私たちのからだに入ると、悪玉コレステロール(LDL)を増やして、善玉コレステロール(HDL)を低下させることがわかっています。動脈硬化の危険性も高まるわけです。また、そのほかにもぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎を引き起こすと考えられています。 脂肪酸は、私たちのからだを作っている60兆個の細胞の細胞膜にもなっています。細胞膜に使われる脂肪酸が不自然な「トランス型脂肪酸」でできたらどうなってしまうでしょう?私たちのからだ全体がとても不自然で、不健康なものに変わってしまうのは間違いありません。


◆ 不自然 その2 ◆
また、『油や脂肪は生鮮食品』であるはずなのに、乾物や小麦粉などと同じ商品棚に並んでいませんか?そして、その消費期限も生鮮食品のわりにはあまりにも長く設定してありませんか?これは、生鮮食品であるはずの油の分子構造を不自然なかたちに加工してあるという証拠です。

食品工業の技術者たちは、より劣化しやすい「不飽和脂肪酸」を多く含む植物油を不自然な分子構造に加工することによって、「飽和脂肪酸」によく似た脂肪酸に変形させることを思いついたのです。こうすれば、最も劣化しやすい「不飽和脂肪酸」も、「飽和脂肪酸」なみに劣化しにくくなるからです。劣化しにくくなった油は、忙しく商品棚の入れ替えを行う必要が無く、いつまでも長い間売り続けることができるようになります。とても効率が良いわけです。 しかし、不自然な脂肪酸は『危険な油』です。また、「不飽和脂肪酸」を加工するとき、油を120℃〜210℃という高温にし、ニッケルや銅を材料に混ぜ合わせます。ここでも油を高温で加熱することによって、脂肪酸が不自然な「トランス型」になっているのです。

一見して「トランス型」の脂肪酸を持っているとわかる油や脂肪は、マーガリンです。マーガリンは植物油が主成分ですから、動物性脂肪のバターよりも肥満になりにくくて健康には良いと考えられてきました。しかし、たいていの植物油は「不飽和脂肪酸」が多いのに、マーガリンがやわらかに固まっているのは不思議だと思いませんか?[1]で「飽和脂肪酸」を簡単に見分ける方法は「固まりやすい」ことであるとお話しました。

マーガリンは、バターの代用品として売るために、植物油をプラスチック化させたものだったわけです。そして、バターよりもパンに塗りやすい絶妙なかたさを不自然な「トランス型」で維持しているのです。 マーガリン以外にも、高温で加工された油はたくさんあります。もしラベル表示などで確認できるのなら、「低温」で「圧搾」された油を選んだほうが『危険』を避けることができます。


◆ 不自然 その3 ◆
最近はあまりにも都合のよい油製品が『健康油』として発売されていると思いませんか?「体の脂肪になりにくい」と謳われている植物油などのことです。

こうした油製品は、材料となる植物を遺伝子操作していたり、不必要な品種改良を施していたり、または油を精製加工する工程で不自然な技術を使っているのです。ラベル表示からその不自然さを見抜くことはなかなか難しいのですが、一般に遺伝子組換え技術がよく使われる原料植物は大豆、トウモロコシ、菜種、綿実です。自然な脂肪酸を『癒す油』としてからだに取り入れたい場合は、こうした種類の『危険な油』ともお別れしたいところです。


◆ そのほかの不自然 ◆
[4]のなかで、『現代食は「リノール酸」過多になりがちで、一方の「オメガ3」を食べそこなっており、それが多くの生活習慣病の火種になっている』と説明しました。どうしてでしょうか?

それは、今は、生の食品を食べることよりも、加工された食品を食べる機会がどんどん増えているからです。

じつは、「オメガ3」は、多くの種類の食材に、ほんの少量ずつ入っているものなのです。特に、濃い緑色をした野菜には必ず入っています。心臓病による死亡率が低い地中海地域で「オメガ6」と「オメガ3」の摂取比が4対1に辛うじて保たれているのは、新鮮な青い野菜をたっぷり食べ、油を生鮮食品のように大切に扱う習慣が残っているからなのです。 また、白砂糖、カフェイン、精製でんぷん質、アルコール、食品の残留農薬、環境汚染物質などを日常的に口に入れていると、私たちのからだが元気になるために「オメガ3」を使う前に、先に「オメガ3」を奪って行ってしまい消耗してしまいます。

自然な栄養素である脂肪酸に『癒す油』としての重要な役割を期待することは、食生活全体を再点検することになるのかもしれません。


オイルの原料となる種子を精製することにより失われる栄養素
ミネラル %損失   ビタミン %損失
カルシウム 60% B1 72 〜 81%
クロム 40% B2 72 〜 81%
コバルト 89% B3 72 〜 81%
68% B5 50%
76% B6 72%
マグネシウム 85% 葉酸 67%
マンガン 86% E 86%
モリブデン 48%    
ストロンチウム 71% 必須脂肪 %損失
リン 77% オメガ6 95%
カリウム 16% オメガ3 95 〜 99%
セレン 95%    
亜鉛 78% その他 %損失
酸素 100% タンパク質 33%
微生物 100% 繊維質 95 %




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