
冷え性というと、手足が冷たい体質、と軽く考えがちです。しかし、この冷えが、現代に蔓延するさまざまな病気の原因ともなっているとは思いもよらないことなのではないでしょうか。
ミトコンドリアも凍えている
免疫病のメカニズムを解明、治療法を確立し、「究極の免疫力」の著書もある西原克成医学博士は、健康に生きるための条件の一つとして、「決して冷たいものを口にしないこと」を挙げています。冷えたものを食べたり飲んだりすると、腸が冷え、結果として細胞内でミトコンドリアの活動が不活発になり、その器官は働かなくなって、さまざまな病気へとつながっていくのです。体温を作っているのはミトコンドリアですから、これが不活発になると低体温となり、発ガンさえも促してしまいます。
昨今は冷凍冷蔵庫の普及で「冷たいもの」の温度が、昔と比べて、あまりにも低温になっている、と西原医博は警告します。かつてないほど冷やされた食べ物・飲み物が、現代の難病を招く片棒をかついでいるのです。
手足だけでなく内臓も温める
市民病院の副院長であった進藤義晴医師は、「薬は出さない、入院させない、手術はしない」という、東洋医学を取り入れた治療に専念したために、病院をクビになりました。その後、東洋医学の治療院を開いて「病気を治すのは医者でもなく、薬でもなく、本人である」というポリシーを貫きました。進藤先生によれば、「痛み、かゆみ、肌荒れ、咳、出血などの症状は、内臓が疲れているよ、という悲鳴です。五臓六腑が最悪の状態に陥る前に、生命に別状のない器官に身代わりさせているのです」。
せっかく警告が発せられているのに、表に現れた症状を封じ込めただけで、発症する前と同じ生活態度を続けていると、取り返しのつかない大病に襲われます。
「まず、生活を改め、自己鍛錬せよ」と教える進藤先生は、「内臓を冷やさない努力」を強調します。過食や不摂生は、消化器や内臓の機能を低下させ、血液は濁って、代謝が悪くなり、栄養が行き渡らなくなった内蔵は弱って、万病へとつながります。
進藤先生は著書「万病に効く半身浴」にも書いているように、冷えを解消する一案として、半身浴を勧めます。心臓から下だけを、ぬるめの湯(38℃前後)に、額に汗が吹き出るまで、20分から40分、浸かる。こうすると、体の芯まで温まり、体内に溜まった毒素が汗とともに排出され、内臓のはたらきが活発によみがえって、内臓の冷えも解消されるのです。
骨から温める
神奈川県のコスモス女性クリニック院長の野末悦子医学博士は、不妊や月経不順、更年期障害などを訴える女性患者のほとんどは、冷えている、と言います。「これは自律神経が乱れている証拠で、免疫力も落ちています。冷えがあると、睡眠中も緊張が残っているので、眠りが浅い、夜中に目が覚める、起床時に疲れがとれていない、という状態が続き、自己免疫力が低下します」。
野末医博は、こういった症状の治療に遠赤外線のマットを使っています。睡眠時にも遠赤外線のマットを使用した患者は睡眠の質が飛躍的に向上し、慢性の冷えも解消され、さまざまな症状も快方に向かうと言います。
遠赤外線は、人体から放出されている熱線と同様の波長をもっているため、遠赤外線をあてることで、細胞の分子が共振共鳴し、その作用で体の深部に熱が到達して、骨まで温めることができます。こうなると、セラミック効果で、蓄えた熱はなかなか冷めず、骨から熱を放射してくれるようになって、体は温かい状態を長時間保つことができるというわけです。
厚着をし、暖房を強くしただけでは、冷えの原因は解消されません。体の芯から温める、とは文字通り、内臓も骨も温めることなのです。命がある限り、体には熱がなければいけない。そう考えれば、「冷やす」ことが、いかに危ういことであり、重大な病を招く最短の道であることかと分かるのです。