
フロー・エッセンスを初めて日本に紹介した桐島さんが
抗ガン戦線の「カリスマ」帯津先生にお話を伺いました。
時:平成15年1月22日 処:(株)健康デザイン・会議室
抗ガン剤治療がすべてではない
桐島:今日は先生に、ガンを克服する方法は一人一人違うというテーマで、お話しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
帯津:ガンは不治の病ではありません。ほかの病気より少し治りにくいのは確かですが、治るとか治らないとかは1つの結果であって、どちらにつながるにせよ、病のなかでいかに生きるかということが、人間にとって最も大切なことだと思います。
桐島:抗ガン剤でメタメタに消耗した友人が、「テロリストをやっつけるために国中爆撃するような作戦よ。ガンより私が先に殺されそう」と嘆いていました。からだにやさしいことをしながら免疫力をあげていくという選択肢もあるわけでしょう?
帯津:そうなんです。抗ガン剤以外に期待感の持てる興味深い治療法がいろいろとあります。それらを試すことで生き方が積極的になり、ガン克服の可能性も高まるのではないかということを、最近ガン治療の現場で考えさせられることが多くなってきました。
桐島:生きる意欲を高めてこそ、病気と闘う力も増すということですね。ただ、西洋医学のお医者さまは、統合医学には無知、無関心な方が多いですね。
帯津:私は毎日患者さんに、その話ばかりをしていますよ。抗ガン剤という存在があまりにも大きいのです。あなたがおっしゃるように、選択肢の1つだと考えたほうがいいのですよ。副作用で辛い思いばかりをするより、別の方法もある。ただ、一般の病院、特にガンセンターのようなところでは、抗ガン剤はするのが当たり前だと考えられていますし、東洋医学なんて眼中にありませんからね。
桐島:私もガンの友人からいろいろと相談を受けるのですが、とりあえず西洋医学で手術はするけど、意識の高い人はさまざまな代替療法や健康食品を試し始めています。気持ちはとてもよく分かります。切っただけでいいとは誰も思っていません。リンパに転移した人は、なにか積極的に自分で試してみたいと、気づくようですね。
帯津:現代の西洋医学の3種の神器、叩いて叩いてだめにするというのがよくないと僕は思います。全部をやろうというのが、間違いなんです。取捨選択をして、使うときに使って、使わないときはしまっておかないと。
桐島:医者まかせにしないで自分に本当に合う治療法はなにか、研究した方がいいですね。
帯津:一人ではやりきれないくらいの治療法があるのですから、当然選択をしないといけません。そのときにできるだけ情報を整理して、いろいろな人のアドバイスのサポートを受けたほうがいいですね。
桐島:気功とかヨガから健康食品まで、何が援軍になるかわからない。思いもかけないものが、ピタッと効くことも少なくないようだし。
帯津:私のところでは、「戦略会議」と言って、西洋医学的に何ができるか、東洋医学的に何ができるかを患者さんと話し合って決めていくようにしています。これを毎日やっています。中でも、ガンの進行の早い人は2週間ごとに見直していきます。激しくない人は2カ月に一度くらいの割合で話し合うことにしています。少なくとも悪くなければそのままでいきますし、あまり効いていないと判断したときには、替えるようにしています。そのためにも、健康食品の情報はたくさんあったほうがいいのです。これがだめならこれというふうに替えていきますから。
桐島:患者の立場に立って一緒に伴走してくださる先生がいると、本当に心強いですね。患者さんは素人ですものね。
帯津:新しい方法を提示すると、皆さん顔が明るくなりますよ。そうか、そういうものがあったのかと。私は健康食品には、自然治癒力に対する働きかけがあるのではないかと思っています。ある程度、予測を立てて、これが良さそうだと思ったら、試してみることがいいと思いますね。命は1つのエネルギーですから、そのエネルギーを上げていくことが大事なのです。つまり、一歩前進できる方法をたくさん見つけて、楽しみながら使っていくのがいいと思います。
希望という名の治療薬
桐島:たとえばフロー・エッセンスはいかがですか。フロー・エッセンスはご縁が深くて、カナダでは、フローラ社の社長さんとも親しくおつきあいしています。あそこは大変真面目な会社で、追跡調査をきちんとしていますね。もちろん万能ではないけれど、驚くほどの治療例があります。
帯津:フロー・エッセンスは英語で説明が書いてありますから、効きそうと思わせてくれるのがいいですね。患者さんにとっては、病気を治す武器が1つ増えたというだけで、効果はあります。現実に、抗ガン剤も休眠療法というのが言われています。この賛同者も増えてきていますよ。殲滅してなくすのではなくて、レベルアップをしていこうということです。全部治すという希望があってもいいのですが、今日よりもよい明日を考えて進んでいこうというものです。民間療法についても、こんなものはと言わないで、やってみようということです。
桐島:西洋医学のお医者さんに、フロー・エッセンスはいいかもしれないけれども、肝臓に障害が出るかもしれないよと言われた人がいました。負担どころか、機能を助けてくれるものなのに…。分かっておっしゃるなら仕方ないけれど、頭ごなしの否定は残念です。
帯津:これは無理なのですよ。健康食品や漢方薬なんか効かないと何度言われたか分かりません。その人たちは西洋医学以外のことをなにも知らないで言っているのですよ。困りますね。西洋医学のドクターの意識が変わってこないとダメですね。今やアメリカでは、統合医学の知識のない医者は敬遠されてしまうのが現状です。
桐島:そもそもフロー・エッセンスというのは、インディアンの薬草茶で乳ガンを治した患者に出合ったリーン・ケイスという看護婦さんが、その処方を手に入れて人々を治療して評判を呼んだことに始まります。でも医学界の反発で、つぶされては甦りという苦難の歴史を経て、やっと今は日本でも手に入るようになったのです。とても感動的な物語でした。私も何人もの友人がフロー・エッセンスのお陰で、奇跡的に回復していくのを目の当たりにしました。ガンというのは、そもそも原因が分かりませんものね。普通の病気とは違いますし。
帯津:そうですね、からだ丸ごとの病気ですから。気持ちの問題とか、いろいろなことが影響しています。同じフロー・エッセンスでも本当に喜んで飲むと、効くのですよ。それを押し付けてもだめだしね。本人の気持ちを育てていく雰囲気を作っていったほうがいいですね。
桐島:飲む、飲まないはその人の運命だから仕方がないですね。私も友達の医者がガンになったので、すぐフロー・エッセンスをプレゼントしたのですが、バカにして飲まなかったですね。無理に勧めても仕方ないとあきらめました。
帯津:そう、飲むことで希望を持つ、そのことが大切なんです。プラシーボね。その効果が医療にないといけないんですよ。嫌だなと思いながら治療を受けてもプラシーボ効果は出てきません。これは医療者と患者さんによい関係がないと出てこないものです。主治医を嫌だなと思ったり、コミュニケーションが取れないと訴えてくる患者さんには、すぐに医者を変えるようにアドバイスしています。
桐島:お医者さんから、「責任取れないよ。副作用出るよ」なんて言われたら、飲めなくなってしまいますものね。
帯津:薬にこれだけの効果があって、そこにプラシーボ効果がプラスされるわけです。効果が高ければ高いほどよいわけですから、結果は大分違ってきます。西洋医学の先生は、その点に配慮をして欲しいですね。私は分かりませんけれども、まあ、よいでしょう」と言うお医者さんはよくないですね。「分かりません」とは言わずに、よく調べて、「証拠はないけれど。免疫力を上げてくれるかもしれないね」と励ましてくれれば、患者さんはプラシーボ効果で元気になるんです。
溜め込まないで外に出すことが大事
桐島:サプリメントは健康補助食品ですけれど、それに対してフローラ社の哲学は浄化がテーマになっています。フローラ社の現社長のおじいさんに当たる方が、最初にハーブを使った浄化を提言なさったと聞きました。
帯津:もちろん東洋哲学もそうですが、エントロピーを外に出すことが大事なんです。増やさないということです。我々が元気でいられるのは、出てくるエントロピーを大便、小便、吐く息、汗などで外に出してしまうことによって、よい状態が保てるわけです。それはエルヴィン・シュレーディンガーという、昔のオーストリアの有名な物理学者が言い出したことです。
桐島:エントロピーって何ですか。
帯津:熱力学の言葉です。つまり、エネルギーが変換するために代償として出てくるものです。文学的に言うと、汚れのようなものです。
桐島:老廃物、カスでしょうか。
帯津:そうですね。それが溜まると秩序が乱れてくるわけです。溜まり続けているはずなのに、人間はどうして溌剌としていられるのか。それが大きなテーマでした。そこで、シュレーディンガーたちが達した結論が、そのカスを排泄物や発熱として捨てているというものだったのです。ただ、減らすというのは言葉で言えば簡単ですが、実際は難しい。増えないことが大切なんです。死ぬということは、最期にエントロピーが急に高まってくるのだろうと言われています。
桐島:人は必ず死ぬわけですが、納得できる説ですね。ところで、そのエントロピーを増えないようにしていくには正しい食事の重要性は言うまでもないことですよね。その中でも私がいま関心を持っているのが、オイルです。私が私淑している米国のワイル博士もオイルについてはとてもキビシイのですが、その後出会った脂肪研究の大家、カナダのウド博士のお話を聞いて益々オイルのことが気に掛かるようになりました。オイルに関しては「誤解されすぎている」ところがかなりあるのですね。実は先程のフローラ社はウド博士の指導の下、からだにとって必要な必須脂肪をバランス良く摂れるオイルも造っているんですよ。私は毎日の食事から、できるだけ油料理は削ぎ落として、必須脂肪はウド博士のオイルで摂るようにしています。
帯津:帯津三敬病院では、朝食は毎日漢方薬入りのおかゆです。昼、夜のごはんは玄米ごはん、毎食和食の粗食が基本です。
桐島:それはなによりも身体にやさしそうな食事ですね。現代の食事は油に無神経です。市販のお弁当には必ず揚げ物が入っていますし、スナック菓子も変な油で揚げているのが実情です。あんなものを子どもに平気で食べさせている親は、本当に無神経だと思います。バターのように見える油には注意するけれども、目に見えない油には、無頓着な人が多いですね。
帯津:いい食材を使っていれば、揚げる必要はないわけです。シンプルな調理法が一番おいしい。さっと作ってさっと食べたいという現代人に重宝な食事が、油を使った料理なのですね。私は食材に対しては、旬をキーワードにしています。
桐島:そうですね。旬のものならさっと茹でただけ、煮ただけでおいしいですね。
帯津:私はガン患者さんに手術をして、化学療法を施し、薬を処方するだけで医者の仕事が終わるとは思っていません。ボディとマインド、スピリットに働きかけて「人間まるごと」の医療を行うことが必要だと思っています。それがホリスティック医学なんです。
桐島:先生の病院では食事も治療の一環だし、気功、民間療法、漢方薬、健康食品と、患者一人一人に合った治療法にチャレンジできるというわけですね。先生のお書きになった近著、『あきらめないガン治療――ホリスティック医療の実践』を拝読しても、こういう病院なら、患者さんたちも希望が持てるなあと思います。
帯津:そう、あきらめない。全部治すという希望もあっていいのですが、今日よりもよりよい明日を考えて進んでいこうという姿勢を大事にしたいですね。
桐島洋子(きりしま ようこ)◆ 作家
1937年東京生まれ。駒場高校卒業後文藝春秋に9年間編集者として勤務。出産を契機に退社、以後文筆家として活躍。『淋しいアメリカ人』で大宅荘一ノンフィクション賞を受賞。主な著書に『見えない海に漕ぎ出して』など多数

『いつでも今日が人生の始まり!』 --50代からの気持ちのいい生き方・暮し方
大和書房刊 1500円(本体)

子育てを一段落した50代から仕事をセーブし、「気持ち良く暮らす」ことを一大目標にした、体験的人生論。しがらみから解き放たれ、いかにラクに生きるかを、寛ぎ、気づき、繋がりをキーワードに展開。
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帯津良一(おびつ りょういち)◆ 医師
1936年川越生まれ。東京大学医学部卒。東京大学第三外科、都立駒込病院外科医長などを経て1982年帯津三敬病院を設立。日本ホリスティック医学協会会長。主な著書に『がんになったとき真っ先に読む本』など多数。

『あきらめないガン治療 --ホリスティック医療の実践』
PHP新書 720円(本体)

ガンは身体(臓器)だけの病気ではないと確信する医者が挑戦し続ける、「人間まるごと」の医療。西洋医学だけでなく、呼吸法、気功、漢方薬、さらには心理療法、音楽療法まで取り入れる著者の熱い想いが伝わる本。
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