
薬害エイズや投薬ミスによる死亡事故など、現代医療の体制に不信感を募らせる事件が頻発しています。医療現場に携わるお医者さま一人ひとりの意識改革が望まれますが、行政や医療報酬のシステムなど根本的な見直しが迫られているようです。また、治療を受ける側の我々も自己責任の元に治療や投薬の是非を判断できるようになる必要があります。それには、お医者さまからインフォームド・コンセント(症状や治療法に対する説明)を受けたり、セカンドオピニオン(主治医とは別のお医者さまの意見)を聞きに行くといったことが必要です。平成一四年六月七日付け読売新聞に、お子さんの投薬による副作用を、ご自分の判断で断ち切ったお父さんの話が紹介されています。
お子さんは二歳になる男の子。突然の発熱後、立ったり座ったりができなくなり、大学病院へ。検査では原因がわからず、そのうち、熱によるけいれんを起こし、入院。それからが、薬の「上塗り」状態だったようです。まずは、けいれん止めの薬。これを飲んだ後、かえって症状が悪くなり、中枢神経に炎症があるとして、ステロイド剤と胃薬。これでも症状は良くなるどころか、嘔吐を繰り返し、しゃべることもできず、寝たきりに。主治医は最後の手段として「血液製剤」を勧めたそうです。
幸いなことに、この男の子の父親には医者の友人がおり、セカンドオピニオンをもらうことができました。友人の医師は、初期の症状を「急性小脳失調症」と見立てました。これは原因不明だが、たいてい自然に回復する。後半の症状は薬による副作用だと判断しました。父親はこの見立てを主治医に伝えましたが、「副作用ではない」と拒否されました。父親は自らの判断で、一時帰宅をさせ、服用をやめさせると、どうでしょう、症状はピタリと治まり、うそのように元気になったそうです。
病気を治したい、健康を取り戻したい、という思いで訪れる医療の現場で、なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか?